タルヴィングは、エストニア出身のカナダ人心理学者です。 1927年にエストニアのタルトゥで生まれ、第二次世界大戦後、アメリカ軍で翻訳者として働き、カナダに移住しました。 1953年にトロント大学の心理学科を卒業し、修士号を取得、ハーバードにて博士号も取得します。 人間の記憶に関する研究を多く行い、「エピソード記憶」などの概念を提唱し、記憶研究に多大な功績を残しています。
タルヴィングは、記憶を「命題記憶」と「手続的記憶」の2つに分け、さらに「命題記憶」を「意味記憶」と「エピソード記憶」の2つに分けました。
命題記憶は、事実や知識に関する記憶です。例えば、フランスの首都はパリである、という記憶は命題記憶です。
手続的記憶は、技能や手順に関する記憶です。例えば、自転車に乗る、という記憶は手続的記憶です。
意味記憶は、言葉や概念に関する記憶です。例えば、赤い、という記憶は意味記憶です。
エピソード記憶は、個人的な体験に関する記憶です。例えば、誕生日パーティーに行った、という記憶はエピソード記憶です。
タルヴィングは、エピソード記憶は、個人の経験や記憶を構成する重要な要素であり、人間らしさを作る特徴であるという記憶理論を展開しました。 エピソード記憶は、個人の記憶の中で最も鮮明で、感情的に色付けされていることが知られています。また、エピソード記憶は、時間や場所などの情報を伴うことが多く、再現性が高いことも特徴です。
タルヴィングの記憶理論は、記憶研究に大きな影響を与え、現在でも多くの研究者によって研究されています。