可用性ヒューリスティック

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可用性ヒューリスティックとは?

可用性ヒューリスティック(availability heuristic)は、認知心理学における思考のバイアス(偏り)の一つです。可用性ヒューリスティックは、人々が判断や決定をする際に、手元に容易に思い浮かぶ情報を基に判断する傾向があることを指します。

このヒューリスティックを用いるとき、人々は判断を下すために直近の経験や身近な情報に依存します。具体的には、思い出しやすい情報や、メディアや報道でよく取り上げられる出来事に基づいて判断を行います。思い出しやすい情報や顕著な出来事は、人々の心に強い印象を与え、それに基づいて判断が行われる傾向があります。

例えば、交通事故のリスクについて考える場合、メディアで大きく報道された事故や身近な人の事故経験が思い浮かびやすく、それに基づいて交通事故のリスクを過大評価することがあります。同様に、テロリズムのリスクについても、メディア報道が思い浮かびやすく、それに基づいてテロリズムのリスクを過大評価する傾向が見られることもあります。

可用性ヒューリスティックは、情報の入手や思い出しの容易さに基づいて判断が行われるため、一部の情報が他の情報よりも重要視される可能性があります。このヒューリスティックは、時間や労力を節約するために役立つ一方で、客観的な情報や統計データを無視することや、バイアスが生じる可能性もあることに留意する必要があります。

可用性ヒューリスティックは、私たちが日常的な判断や意思決定において利用する一つの認知的な手法ですが、注意深く情報を評価し、複数の視点や情報源を考慮することが重要です。

https://jp.linkedin.com/learning/improving-your-judgment-3/2203327