生得観念

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生得観念とは、人間が生まれながらにもっている観念のことです。感覚や経験によって得られたのではなく、生まれつき備わっているという考え方です。

生得観念説を主張した代表的な哲学者は、デカルトやライプニッツです。デカルトは、自己の存在を疑うことから出発し、神の存在を証明しました。神の存在は、人間が生まれながらにもっている神の実在を信じるという生得観念に基づいていると主張しました。ライプニッツは、人間の理性は、神の創造によって与えられた原理によって構成されていると主張しました。この原理には、同一性、矛盾律、原因律などの普遍的真理が含まれており、これらの原理は生得観念であると考えました。

一方、生得観念説を否定した代表的な哲学者は、ロックです。ロックは、人間の心は白紙の状態(タブラ・ラサ)で生まれてくると考えました。感覚や経験によって、様々な観念が心の中に形成されると考えました。

生得観念の有無は、認識論において重要な問題です。生得観念が存在するとすれば、人間の知識は経験によってのみ得られるのではなく、先天的に備わっているものもあることになります。これによって、人間の知識の根拠や限界について新たな議論が可能になります。

生得観念として考えられるものには、以下のようなものがあります。

神の存在
同一性
矛盾律
原因律
自己

空間
時間
これらの観念は、経験によって得られるのではなく、人間の理性の構造によって必然的に導き出されるものであると考えられてきました。

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