ドアインザフェイスとは
概要
ドアインザフェイス(door-in-the-face technique、譲歩的要請法)は、社会心理学で一般的に研究されている承諾を得る手法の一つです。「ドアから顔を閉める」という訪問販売時のフレーズが由来とされ、相手の心理を利用して交渉を進めます。
手順
- 大きな要求: まず、相手に断られる可能性が最も高い大きな要求を行います。
- 小さな要求: 相手が大きな要求を断った後、本命となる小さな要求を行います。
心理的メカニズム
この手法は、主に「返報性の原理」に基づいています。人は何かをしてもらったとき、お返しをしなくてはならないと考える傾向があります。大きな要求を断られた後、小さな要求を承諾することで、相手に借りを作ったような気持ちになり、それを返済したいという心理が働きます。
メリットと注意点
メリット
- 相手の協調性を高め、本命の要求を受け入れやすくする
- 交渉において相手との信頼関係を築くきっかけになる
- 相手に満足感を与える
注意点
- 大きな要求と小さな要求のギャップが大きすぎると、効果が得られない
- 相手の時間を無駄にしたり、不快感を与えたりする可能性がある
- 倫理的な問題を孕む場合もある(無理強いは禁物)
具体例
- ボランティア活動への参加を依頼する(大きな要求)
- 断られた後、アンケートへの回答をお願いする(小さな要求)
- 商品の購入を勧める(大きな要求)
- 断られた後、サンプル品の提供を提案する(小さな要求)