実体二元論とは、心身問題に関する形而上学的な立場のひとつで、この世界にはモノとココロという本質的に異なる独立した二つの実体がある、とする考え方です。ここで言う実体とは他の何にも依らずそれだけで独立して存在しうるものの事を言い、つまりは脳が物質的な実体であるのに対し、心は精神的な実体であるということになります。
実体二元論の最も有名な支持者は、デカルトです。デカルトは、人間は思考する存在であるという「我思う、ゆえに我あり」という有名な哲学命題を唱えました。この命題は、心が物質的な脳とは独立して存在することを意味しています。
デカルト以外の実体二元論の支持者としては、スピノザ、ライプニッツ、ヒュームなどが挙げられます。
実体二元論は、心と身体の相互作用の問題を解決することが難しいという批判を受けています。心と身体はどのように相互作用しているのかという問題は、心身問題の中心的な問題であり、実体二元論ではこの問題を十分に解決できないというのです。
また、実体二元論は、脳科学の進歩によって否定されつつあるという意見もあります。脳科学の研究によって、心の現象は脳の活動によって引き起こされていることが明らかになりつつあり、心と身体は独立した実体ではないのではないかという考え方が強まっています。
このように、実体二元論は古くから議論されてきた重要な心身問題に関する立場ですが、その正当性については依然として議論が続いています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E4%BD%93%E4%BA%8C%E5%85%83%E8%AB%96