スティーヴンスのべき法則とは
スティーヴンスのべき法則(スティーヴンスのべきほうそく、英: Stevens' power law)は、精神物理学において、物理的刺激の実際の大きさとそれを知覚する際の強さの関係を表す法則として提案されたものです。
法則の概要
この法則は、物理的刺激の強度(Φ)と、それに対応する感覚の強さ(Ψ)の関係を、以下のべき乗関数で表します。
Ψ = kΦ^n
ここで、kは定数、nは指数です。
実験方法と指数
スティーヴンスはこの法則を導くために、主にマグニチュード推定法を用いました。この実験では、被験者に標準刺激を与え、それに比べて他の刺激がどれほど強くまたは弱く感じられるかを数値で申告してもらいます。
実験の結果、感覚の強さと刺激の強さの関係は、感覚の種類によって異なる指数nを示すことがわかりました。
- 面積・奥行き・輝度などの感覚では、nは1より小さく、実際よりも過小評価される傾向があります。
- 彩度や電気ショックなどの感覚では、nは1より大きく、実際よりも過大評価される傾向があります。
法則の意義と限界
スティーヴンスのべき法則は、感覚と刺激の関係を数量的に示した重要な法則です。しかし、個々の感覚の実験での知覚の強さの測定方法に依存した偶然的結果の集積であって、妥当性に疑問を呈する人も多いです。
その後、様々な研究により、スティーヴンスのべき法則を補完したり、修正したりする提案がされています。