心理学における強化とは、ある行動の頻度を高める手続きまたはその働きのことを指します。具体的には、ある行動を行った後に、その行動に好ましい結果がもたらされると、その行動の頻度は高まる傾向にあります。この好ましい結果のことを「強化子」と呼びます。
強化には、大きく分けて「正の強化」と「負の強化」の2種類があります。
正の強化とは、ある行動を行った後に、その行動に好ましい刺激が提示されることによって、その行動の頻度が高まることを指します。例えば、勉強をしたら褒められたり、ゲームをしたら報酬がもらえたりすると、勉強やゲームをする行動の頻度が高まります。
負の強化とは、ある行動を行った後に、その行動によって不快な刺激が除去されることによって、その行動の頻度が高まることを指します。例えば、宿題をしないと叱られたり、嫌いな仕事をしないと怒鳴られたりするのを避けるために、宿題や仕事をする行動の頻度が高まります。
強化は、行動分析学や学習理論などで重要な概念として用いられており、教育やトレーニング、治療など、さまざまな場面で応用されています。
例えば、教育の現場では、生徒の望ましい行動に対して褒めや賞を与えることによって、その行動を促進する方法が用いられています。また、トレーニングの現場では、動物やロボットなどの行動を強化することによって、特定のタスクを学習させる方法が用いられています。さらに、治療の現場では、患者の望ましい行動を強化することによって、行動変容を促進する方法が用いられています。
このように、強化は私たちの日常生活や社会生活において、さまざまな場面で重要な役割を果たしています。