不確実性プールの原理とは、流通において、卸売業者が介在することで、市場における在庫数が減少するという原理です。
例えば、小売業者が10社存在する場合、需要の変化に対応するために各々が在庫を50個必要であるとします。そのときの市場の在庫は10(小売業者数)×50(在庫数)=500個です。
しかし、卸売業者が介在して、小売業者の在庫をまとめて管理することで、小売業者は必要なときに必要な量だけを卸売業者から仕入れることができます。この場合、小売業者が保有する在庫数は、卸売業者から仕入れるタイミングや量によって変動しますが、平均すると、卸売業者が保有する在庫数よりも少なくなります。
したがって、卸売業者が介在することで、市場全体の在庫数が減少することになります。
不確実性プールの原理は、以下の2つの要因によって説明されています。
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需要の不確実性
需要は、季節や天候、経済状況などによって変動します。そのため、小売業者は、需要の変化に対応するために、ある程度の在庫を保有しておく必要があります。 -
在庫管理のコスト
在庫を保有すると、倉庫費や保管費などのコストが発生します。そのため、小売業者は、在庫数を最小限に抑えることで、コストを削減しようとします。
不確実性プールの原理は、流通において重要な役割を果たしています。卸売業者が介在することで、市場全体の在庫量が適切に管理され、効率的な流通が実現されます。