フレーミング効果とは、同じ情報でも、提示方法によって人々の判断や意思決定が変化する心理現象です。言い換えると、情報の「枠組み」(フレーム)によって、人々の情報の受け止め方や、それに対する反応が異なるということです。
例:アジアの疾病問題
有名な例として、「アジアの疾病問題」があります。ある国で致死性疾患が流行し、600人の命が救える可能性がある2つの治療法が提示されました。
- 治療法A:確実に200人を救える
- 治療法B:1/3の確率で全員を救える、2/3の確率で誰も救えない
どちらの治療法を選びますか?
多くの人は、確実に200人を救える治療法Aを選ぶでしょう。しかし、別の言い方をすると、
- 治療法A:400人が確実に死ぬ
- 治療法B:1/3の確率で誰も死なない、2/3の確率で600人全員が死ぬ
となります。すると、今度は治療法Bを選ぶ人も増えるのです。
このように、同じ情報でも、損失を強調するか、利益を強調するかによって、人々の判断は大きく変わるのです。
フレーミング効果の活用
フレーミング効果は、マーケティングや政治など様々な分野で活用されています。
- マーケティング:商品の価格を「通常価格2000円が今だけ1500円!」と表示することで、お得感を強調し、購入を促す。
- 政治:政策の支持率を高めるために、政策の効果を強調したり、反対意見を矮小化するような表現を用いる。
フレーミング効果への対策
フレーミング効果は、合理的な判断を妨げる認知バイアスの一つです。情報を受け取るときは、以下の点に注意しましょう。
- 情報の提示方法に惑わされない
- 異なる視点から情報を分析する
- 数字だけでなく、具体的な状況も考慮する
これらの点に注意することで、フレーミング効果の影響を受けずに、より合理的な判断を下すことができるようになります。
参考URL:
フレーミング効果 | みずほ証券 ファイナンス用語集