習得観念とは、経験によって後天的に得られる観念です。
哲学において、人間が生まれながらにもっている観念(生得観念)を主張するデカルトやライプニッツに対して、イギリスの哲学者ジョン・ロックは、観念はすべて経験によって形成されると主張しました。
ロックは、人間は生まれつき、白紙の状態(tabula rasa)であるとし、感覚や反省によって観念を形成していくとしました。
感覚によって得られる観念を「単純観念」、反省によって得られる観念を「複合観念」と呼びました。
単純観念は、さらに「広がり」や「形」などの「簡明観念」と、「善悪」や「美醜」などの「複雑観念」に分けられます。
複合観念は、単純観念を組み合わせることで形成されます。
例えば、「りんご」という観念は、単純観念である「赤い」、「丸い」、「甘い」などの観念を組み合わせることで形成されます。
ロックの習得観念説は、人間の認識の形成において経験が重要であることを強調した重要な思想です。
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