キャノン バード説

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キャノン バード説とは、1927年に、アメリカの心理学者ウォルター・キャノンと、神経学者フィリップ・バードが提唱した、情動の発生に関する理論です。

キャノン=バード説によれば、情動は、外部からの刺激が視床を介して大脳皮質と視床下部に伝達されることで、同時に発生します。視床下部は、交感神経系や副交感神経系を介して、身体に生理的な反応を引き起こします。また、大脳皮質は、情動の体験をします。

キャノン=バード説は、ジェームズ=ランゲ説の反対に位置づけられる理論です。ジェームズ=ランゲ説は、情動は、身体の変化を感じることによって、情動体験が生じるというものです。

キャノン=バード説は、実験によって支持されています。たとえば、キャノンは、大脳皮質を除去した犬は、視床下部を刺激しても、情動反応は見られないことを発見しました。これは、情動反応には、視床下部だけでなく、大脳皮質も関与していることを示しています。

キャノン=バード説は、情動の発生に関する最も有力な理論の一つです。しかし、近年では、情動の発生には、大脳皮質のみならず、大脳辺縁系や網様体なども関与していることが明らかになっており、キャノン=バード説は、やや単純化された理論であるとも指摘されています。

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