心理学における受容とは、相手の存在そのものをありのままに受け入れることです。相手の考えや感情、行動を否定したり評価したりすることなく、そのままに受け止めることを指します。
受容は、心理療法において重要なスキルのひとつです。来談者中心療法の創始者であるカール・ロジャーズは、受容を「来談者に対する無条件の肯定的関心」と定義しました。これは、来談者の良いところだけでなく悪いところも含めて、ありのままに受け入れる姿勢を意味します。
受容は、来談者が自己肯定感を高め、問題解決に取り組むための基盤となります。来談者が自分の考えや感情を否定されずに受け入れられると、自分自身を受け入れやすくなり、自分を表現しやすくなります。また、受容的な環境では、来談者が自分の問題を客観的に見つめ、解決策を見出しやすくなります。
受容は、心理療法だけでなく、日常生活においても重要なスキルです。家族や友人、恋人など、大切な人との関係を築くためにも、受容は欠かせません。受容的な姿勢で接することで、相手は安心して自分自身を開き、信頼関係を築くことができます。
受容的な姿勢を身につけるためには、以下の点に注意するとよいでしょう。
相手の話に耳を傾け、相手の言葉に共感する。
相手の考えや感情を否定したり評価したりしない。
相手を理解しようとする姿勢を示す。
受容は、相手の存在そのものを尊重する姿勢です。受容的な姿勢で接することで、相手は安心感と信頼感を得ることができます。