社会的交換理論とは、人と人との関係を、有形・無形のさまざまなモノ・コトの交換によって説明する理論です。
この理論によると、人は相手から得られる報酬と、自分が相手に提供している報酬を比較し、その差によって、今後の行動を決めると考えられています。
例えば、同僚から助けてもらった場合、その助けが自分にとって価値のあるものであれば、その同僚に対して、何かしらの報酬を返す可能性が高くなります。その報酬は、感謝の気持ちを示す、仕事で手伝う、といったものになるでしょう。
社会的交換理論は、さまざまな社会関係を理解する上で、重要な理論として用いられています。
具体的には、以下のような分野で研究が行われています。
- 組織行動学:組織におけるリーダーシップ、チームワーク、労使関係などの研究
- 社会心理学:援助行動、信頼、社会規範などの研究
- 経済学:契約、市場、取引などの研究
社会的交換理論の代表的な研究者としては、アメリカの社会心理学者であるジョージ・ホーマンズが挙げられます。ホーマンズは、人間の行動は、報酬と罰によって動機づけられると主張し、社会的交換理論の基礎を築きました。
社会的交換理論は、あくまでも人間の行動を説明する理論のひとつです。しかし、人間の社会的な行動を理解する上で、重要な視点を与えてくれる理論であることは間違いありません。